SOUNDPROOF BOX-3

LAST UPDATE: 2008.10.14

T邸防音室


CA390102s.jpg


防音室、第3作目は木造戸建住宅の1階和室のリフォームである。 場所は京都の、すぐ隣に神社の森が続く閑静な住宅街だ。

設置場所が前面道路にすぐ面した部屋で、隣家と前の家とが接近 しているため、思い切ってピアノが弾けないという状況であった。


CA390094s.jpg


音楽家夫妻のためのレッスン室なのであるが、奥様がピアニスト という事で、今回は響きを追求するだけでなく聴き疲れを防止するために、 壁の一部に吸音材を貼った。他は前2作と同じように、床壁天井全て を既存躯体と絶縁して、防音室を入れ込むという考え方である。

木造住宅に防音室を設置する際に一番問題となるのが、床の補強 である。建築基準法をクリアした通常の建物であれば、グランドピアノ を置く程度なら特別な補強は必要ない。しかし防音室自体の 重量をプラスすると、床の積載荷重を少し超えてしまう。そこで まず床下に等ピッチで基礎板と束を立てて補強した。


CA390096s.jpg


壁の吸音材には「ダンボード」を使用した。ロックウールをガラスクロス で包んだもので、機械室の吸音材としておなじみの素材である。壁前面に 貼ってしまうと逆に音の響きが無くなってしまうため、あえてボーダーで 部分張りとしている。これから使っていただく中で、床にラグを敷いたり して、お好みの音響を作っていってもらえればと考えている。

床材には、前回と同じ店舗用のビニール床タイルを使用しているのだが、 今回は白い石目調のものが選ばれた。白大理石のようで、とてもピアノが 際立っている。

奥の白いドアの向こうは、もともとの押入れを楽譜庫に改造してある。 そのため防音室自体はすっきりと使う事ができる。

全体的に、とても清潔ですっきりした部屋に仕上がったと思う。 今後の使われ方が楽しみである。