オーストリアワインについて
最近日本でも徐々に知られてきたようですが、オーストリアはとても良質のワインを生産し続けています。特にウィーンを中心とした地域からハンガリーの国境付近のノイジードラー湖周辺、南部のシュターヤーマルク州までのオーストリア東部がワイン造りのさかんな所です。
この地方特有の白ワイン品種「グリューナー・フェルトリーナー」は、さっぱりしていながら独特のぷんとした甘く濃密な後味がいつまでも口の中に広がるワインです。私がウィーンから日本に帰国してしばらくは、とてもこの味を懐かしんだものです。今現在は、日本でも比較的手に入りやすくなっているようです。他にも数多くの品種があり、代表的な物をあげると、
白ワイン
・グリューナー フェルトリーナー
・ヴェルシュリースリング
・ヴァイス ブルクンダー
・シャルドネ
・ソーヴィニヨン ブラン
・マスカット オットーネル
赤ワイン
・ツヴァイゲルト
・カベルネ ソーヴィニヨン
当地で暮らしてみて思ったのは、オーストリアにおいてワインはただ飲むためのものではなくて、大変人々の生活に根ざした文化であるという事です。
それぞれの地方には、それぞれ特色のあるワインがあり、そのワインの造り手を訪れワイン畑を見て、実際に地下のワインセラーで熟成課程を体感し、そして出来上がったワインを味わい、飲み比べてみると、きっと私達はワインがもっと身近に感じられ、その虜になるにちがいありません。
他の多くのワイン生産国と違い、オーストリアワインのほとんどは国内で消費されています。それだけワインが生活に身近であるとも言えるでしょう。例えばウィーンでは、市の中心部から山手の方へバスで20〜30分も走れば一面のワイン畑に出ます。そこには「ホイリゲ」と呼ばれる造りたてのワインとオーストリア料理をふるまう店が軒を連ねる地帯があり、人々は仕事帰りや週末を楽しんでいます。特に屋外のテラスやワイン畑に机と椅子を並べ、ワインを味わう時間は格別です。
私はこのように身近に自然を感じながらワインを楽しめる場所が、もっと日本にもあればいいなと常々思っており、そのような施設を設計できる機会を探しています