WINERY/オーストリアのワイナリー

LAST UPDATE: 2006.08.12

WEINGUT SANDHOFER/ワイングート サンドホーファー

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オーストリア東部、ハンガリー国境近くのノイジードラー湖のほとりにある、プールバッハという小さな村にあるワイナリーです。この地方は白ワインの他に良質の赤ワインがありますが、オーストリアでも特にワイン造りの盛んなところです。この村には特徴的なワインセラーがあります。屋根の上を野草で覆った、半地下のセラーで、通りに沿って連続し、面白い風景を造りだしています。

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オーストリアでは近年、建築家の手による新しいワイン施設が続々と誕生しているのですが、このワイナリーでも、前述のワインセラーの構造物の上に増築する計画があります。日本から見学に来たと言うと、共同運営者の女性が、大変親切に中を案内してくれました。

今現在はそれほど大々的に小売されているわけでもなく、テイスティングスペースは少し雑然としていましたが、まず一杯お勧めの白ワインを。一口含んだだけでワイナリーの全てを想像してしまうような、豊かな味でした。一通りいくつかの試飲させていただいた頃には、すっかりお互いに打ち解けてしまい、日本の話などで盛り上がりました。ちょうどチロル地方のチーズが手に入ったからと、出していただいたのが、ウィーンでは食べたことも無いような、おいしいチーズでした。いつもヨーロッパの田舎町を旅する時に思うことですが、本当に都会より田舎の方が生活が豊かだと思います。

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さて少々酔っ払ってしまいましたが、ワインセラーを見に行きました。テイスティングスペースの奥には外の通りからは想像もつかない長いワインセラーのトンネルが続いています。熟成容器や木の樽、ラベルの付いていない瓶が年代ごとに貯蔵されています。ここでもブドウの出来の良かった年の秘蔵ワインを飲ませていただきました。室温は少しひんやりするぐらいで、湿度も管理されているのでしょうが、気づいたのは、貯蔵に適した温度は飲み頃の温度でもあるという事です。

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このようにして出来たおいしいワインを是非日本でも飲みたいと思うのですが、まだまだ日本での認知度は低く、大量に輸入出来る訳ではなく、コストがかさむので、手に入っても現地価格の3倍ぐらいにはなっているのでしょう。しかし商業ベースになってしまっても品質が落ちる可能性もあり、このままでもよいのではないかとも思い、複雑な心境です。