■ 夏学期(1998/99)
ウィーン・シュヴェヒャート空港ターミナルビル2,3
模型写真
ウィーンの大学は普通、冬学期が10月に始まり翌年の1月に終わる。そして1ヶ月の休みの後3月から6月ま
でが夏学期である。
3月の最初の週に夏学期の課題が発表になった。今回はウィーンの都市についての4つの課題(問題点)の
中から一つを選び、それについての調査・分析を行う事に決まった。「空港問題」「都市の中の水」「環状
道路沿いの整備」「市場」の調査項目があげられ、その中から私は「空港問題」を選んだ。
調査は、テーマ別のグループで2週間に1回ミーティングが行われ、個人、グループ別にさらに細かいテー
マを選び、資料を作り討論するというやり方である。私は一番馴染みがある事もあり、日本の関西空港につ
いてのリサーチをする事にした。リサーチは4月いっぱい続き、5月・6月で今度は課題に対する自分の提
案として、建築設計プロジェクトを完成させなけれならならなかった。そして関西空港のリサーチを基にウ
ィーン国際空港の新ターミナルビルの設計をすることに決めた。
今回のプロジェクトは、ウィーンの建築関係機関・大学間の共通のテーマである「夢都市ウィーン」の中に
位置づけされ、我々のものから建築家までの提案が、最終的に1枚のCD-Romにまとめられ発表されるとい
う企画になっていた。学生の提案が社会の中で認められるチャンスがあるこのような方法は、とても興味深
いと思う。
ターミナルビル1鳥瞰
ウィーンの現在の空港は、旧東側諸国への玄関口として、またEU統合後のヨーロッパの地理的中心地として
ますます発展の期待されている空港である。しかし現在のターミナル1は将来的に十分とは言えない。そこ
で今から15年後を想定した新ターミナル2,3の建設を提案した。
配置図
模式図
上図で一番上に位置するのが現在の空港ターミナル1である。地下に国鉄の駅があり、地上はバス・車寄せ
や駐車場がある。ターミナルビルの2つのウィングは、音楽の都にふさわしくバイオリンの頭部をイメージ
した円弧を描いた形をしており、大型機が乗り付けられる。小型機へは1階から専用バスで搭乗する。ター
ミナル1の真前が第1滑走路であり、図中右側に斜めに走っているのがが第2滑走路である。空港会社の将
来計画でさらに下側、第1滑走路と平行に第3滑走路案が実際に考えられているのだが、今回この2つの滑
走路の間にターミナル2、さらにターミナル3を提案した。
新設のターミナル2は、ちょうど大阪の関西空港を円弧に曲げた大きさをしており、将来の需要に十分対応
していける機能を持つ。またさらにターミナル3の増設により拡張が可能である。そして直下には計画中の
新幹線の駅を建設する。第1滑走路をはさんだターミナル1とは地下の交通システムでつながっている。
パース
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