WEINGUT CHRIST
2006.5.24
裏側の現代的なファサード
2005年に竣工したばかりのプロジェクトである。場所はウィーン市内北東部フローリスドルフ近くにある。このあたりは外国人観光客が訪れる事はほとんど無いが、すぐ近くのワイン畑で獲れた葡萄を醸造するワイナリーと、フレッシュワインと地料理をふるまう居酒屋「ホイリゲ」が軒を連ねており、地元の人達で賑わっている。
表側、中世からの玄関
計画は古施設の改修と新しい機能の増築である。まず中世からの構造物である元の玄関側のファサードはそのままに、控えめなエントランスをくぐると、そこから暗めの照明により演出された通路が、テイスティングカウンターなどの諸室を挟んで一直線に中庭へと延びていく。
中庭のホイリゲ
明るく開放的な中庭にはぶどう棚と食卓が設けられ、屋外でもワインと食事を楽しむ典型的なホイリゲスタイルとなっている。中庭に面してゲストルームや子供のプレイロットが配されている。中庭を抜けると再び直線の暗い通路となるが、ここののぞき窓から地下で熟成中のワイン樽を見る事が出来る。さらにバックヤードを抜けると裏側のファサードとなる。こちらは木のルーバーをあしらった現代的な顔となるが、伝統的な石積みの塀、木製門扉等が水平線を強調した潔いディテールで納まっている。
テイスティングカウンター
ラウム・ヴェルク・シュタットのHP：
http://www.raum-werk-stadt.at